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  • 法務省登記所地図XML変換ツールを公開しました

    法務省登記所地図XML変換ツールを公開しました

    先日2025年の登記所地図データのベクトルタイルを公開しましたが、本日はこのデータ変換に役に立つツールを公開しました。

    macOS, Windows, Linux のバイナリを Releases ページからダウンロードできるので、試したい方はそちらから直接ダウンロードしてください。

    開発の経緯

    今まで地図XMLを変換できるツールは主に2つ:

    1. デジタル庁が提供している mojxml2geojson
    2. mojxml-py

    mojxml-rsmojxml-py と最も機能は似ていますが、処理速度は(私の環境では)4倍ほど速く、メモリ効率もよく、20GB程度のメモリがあれば全国を一つの出力ファイルに出力できます。

    mojxml-rsmojxml-pymojxml2geojson
    入力形式XML, ZIP, ZIP-in-ZIPXML, ZIP, ZIP-in-ZIPXMLのみ
    出力形式FlatGeobuf のみGDAL が対応するほとんどのファイル形式 (PostGIS や接続は必要なものは不可)GeoJSON のみ
    処理速度全国 70 分自治体別 FGB → PostGIS によるFGB 統合 6 時間1 日以上

    mojxml-rs は MIT ライセンスとして公開していますので、ご自由に使っていただけます。作成データの利用の際には元データの利用規約の確認をお願いいたします。

    FlatGeobuf を選んだ理由は、データを提供する形式から逆算して決めました。 KotobaMedia ではベクトルタイルと PostGIS として提供しています。一回 FGB であれば ogr2ogr で PostGIS に読み込むことができるので PostGIS を先に読み込ませる方法もありますが、変換ツールをできるだけシンプルにするために、フラットファイルとして出力できることが条件でした。そのなかで GeoParquet もありますが、 FlatGeobuf のいいところはベクトルタイル生成時直接 tippecanoe に渡すことができるので、 FGB で進むことを決定しました。

    最後に

    ぜひ、地図XMLを変換する機会がありましたら、使っていただけると幸いです。地図XMLをダウンロードすることが大変、という方には amx-project/dl-tool というツールもあるので、こちらも合わせて使うと便利です。

    興味ある方は、お問い合わせフォームで連絡してください。

  • 2025年登記所地図データを公開しました

    2025年登記所地図データを公開しました

    KotobaMedia の中核にある理念の中にあるのは、物理と仮想世界の橋を作ること。物理世界といえば建物、土地。4年前から法務省が全国の登記所備付地図の電子データを公開していますが、まだこのデータを楽に使える基盤がなく、 KotobaMedia で処理済みのベクトルタイルを公開することを決めました。

    登記所地図データは細かいので、ズームアウトされた状態で把握することが難しいため、地域メッシュコードで簡単な集計を行っています。ズームレベル16から、登記所地図データの詳細が表示されます。

    こちらのタイルサーバーは自由にお使いいただけます。商用利用される前にご相談ください。

    任意座標系・公共座標系

    登記所地図データは、代々管理してきた紙の地図をスキャンして取り込でデジタル化された歴史あるデータとなります。それぞれの地図ごとにばらばらの座標が振られています。この「任意座標系」のままだと、形状がわかるが、土地が実際にどこにあるかも、面積などの線の長さ等はわかりません。マッピング作業により、座標をそろえる「公共座標系」に変換すると、位置や広さを計算できるようになり、別のデータとも重ねて使えるようになります。今回公開しているデータセットは「公共座標系」のデータのみとなります。

    今回(2025年)で任意座標の比較を計算しましたが、筆ベースでいうと下記の様になりました。

    • 任意座標系 130,738,651 筆 (53.3%)
    • 公共座標系 114,768,741 筆 (46.7%)

    興味ある方には、計算するツールを公開しています。

    タイルができるまでのプロセス

    これからはこのタイルをどう生成できるか・どう生成されたかの説明をしたいと思います。さらに詳細にドキュメンテーションされている資料あるので、ご自身で処理を試してみたい方は確認してください。

    1. G空間情報センターから全国のZIPファイルをダウンロードする
    2. それぞれのZIPファイルを中間のFlatGeobufファイルに変換する
      • この変換処理は mojxml2ogr ツールを使います
        • デジタル庁が公開している mojxml2geojson より優れている点は、高速で処理できる上で、GeoJSON ではなくて GDAL を利用しているので、出力形式は幅広く対応しています
        • あと、魅力的な点としては自治体別のZIPファイルの中に更にZIPファイルがいっぱいあって、再帰的にZIPファイルを解凍してくれます
    3. 自治体別の FlatGeobuf を PostGIS にインポートする
      • 集計のために一回 PostGIS にインポートしたかった
      • 最終的に tippecanoe でタイル化を行うため、1つのFlatGeobufにまとめる必要ありますが、実際試してみたとき、 ogr2ogr でまとめるより PostGIS でまとめた方がはるかに処理速度速かったので、採用しました
    4. PostGIS からまとめた FlatGeobuf を出力する
    5. tippecanoe で詳細タイルを予め作っておく
    6. 地域メッシュの集計を行う
    7. それぞれの集計(1次~4次メッシュ)を FlatGeobuf に書き出し、タイル化する

    最後に

    最後に読んでいただき、ありがとうございました。今回リリースは最低限、登記所地図データの「楽」に使える入口であって、これからさらに楽に使うための機能を需要に応じて追加していく予定です。

    興味ある方は、ぜひ連絡してください。どのような場面でこのデータが使われる、使えそうかを雑談レベルでも話しましょう。

  • KotobaMedia株式会社を設立しました

    KotobaMedia株式会社を設立しました

    「KotobaMedia」という名前は個人事業主の商号として利用していましたが、そろそろ本格的に始動し、今後は会社として稼働します。社会人として周りの人々のお陰様で様々な経験ができましたが、この中で数々の興味深いプロジェクトに携われましたが、特に位置情報については影響残っています。

    実は、本格的な開発は位置情報開発から始めました。大学通学時に、複雑な乗り換えにより、毎朝どのルートがベストか判断に迷った経験がありました。曖昧な時刻表情報に振り回され、いつも急いだり余裕をもったりする難しさを痛感。その解決策を求め、GPSを活用して大学のバス停が近いか、駅のバス停が近いかのシンプルな判定を行い、出発時刻までの時間を表示した。この体験が、位置情報技術の力を実感しました。

    これまでの課題解決の過程で、どの案件にも共通して「橋」という要素が浮かび上がってきました。位置情報は、仮想世界と物理世界を結びつける最強の「橋」として機能することがわかりました。

    これからの方針としては、位置情報の力をさらに深掘りし、仮想世界と物理世界をより密接に結びつける新たなサービスの構築に挑戦します。特に、これまで位置情報技術が十分に活用されなかった分野や、導入方法に悩みがあった領域にフォーカスを当て、新しいソリューションを提案していきます。

    どのように位置情報技術を活用すればよいか、まだ模索中の方も、ぜひ雑談ベースでも相談しましょう。

    今後とも、よろしくお願いいたします。

  • サイトリニューアルしました

    久しぶりにWordPressを設定しました。以前、「KotobaMedia」として個人事業主の屋号として利用していましたが、これから本格的に稼働するということで、記事を公開しやすくして行こうと思いました。

    今後とも、よろしくお願い致します。